一方で、フジクラが保有する特許権、意匠権および商標権等の無斷使用があった場合には、法律に基づいて、然るべき措置をとっています。
フジクラは、研究開発で得た成果を積極的に知的財産権の取得により保護し、事業の優位性を確保するとともに、第三者の知的財産権を十分に尊重しながら事業展開することを基本方針としていますが、単年度の活動ビジョンとしては、2021年度も、引き続き「事業戦略と統合した知的財産活動」と掲げ、次のような課題に重點的に取り組んで參りました。
フジクラでは、グローバルでの當社ハウスマーク商標の保護を目的に各國での商標の権利化を計畫的に進め、2020年までに計畫通りに當社のブランドとなるハウスマーク商標の出願を完了しました。2021年中には、アフガニスタン、グァテマラ、ケニア、サモア獨立國、ジブチ、バヌアツ、マダガスカル、および中國での登録が追加となりました。
なお、近年、他社からは、當社ブランドによる信用にフリーライドするような意図で當社ハウスマークを意識したような商標出願も見られるところ、當社の事業とコンフリクトを生じる、あるいは當社の商取引上の信用を害するような登録に対しては、法制度を利用して登録の取消等を求める等の厳格な対応を行っています。
フジクラは、企業秘密の管理に関する規程にもとづき、その管理を適切に行っています。特に、発明を特許出願しないで企業秘密として秘匿する場合には、社內規程にもとづき、その重要度に応じた秘匿管理を行っています。その中でも事業に影響するような重要度の高い情報は、不正競爭防止法の救済が得られるように営業秘密として管理しています。また、フジクラで秘匿管理された技術について他社が獨自に開発し特許を取得した場合でも、當社が引き続き実施できるように先使用権を得るための対応を行っています。2021年度も、引き続きフジクラグループ內での営業秘密に関する相談への対応や情報発信を行い、また、特にオンライン勉強會等での社員教育の機會に営業秘密に関する教育內容をより充実させて、グループ社員の意識向上に努めました。
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ここ數年の國內特許保有件數は3000件弱で推移していましたが、ポートフォリオの見直しに伴い2021年度は2840件に減少しました。 |
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事業のグローバル化に伴い、ここ數年の海外特許の保有件數は2000件弱で推移しており、2021年度は1874件でした。アメリカ、歐州、中國での特許が8割を占めています。 |
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國內特許出願の公開件數は年々減少傾向にあり、2021年度は258件でした。國內の特許出願を減少させる一方で、海外の特許出願を増加させています。 |
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グローバル出願率(國內出願を基礎出願として海外に特許出願する比率)は40%前後を推移していましたが、2020年度は50%を超えました。 |
光配線ソリューション事業に関しては、當社の開発による戦略商品であるところの間欠固定テープおよびそれを含む光ケーブル、あるいは光ファイバ、光コネクタおよび融著機の技術について、継続的に特許出願あるいは積極的な秘匿化を実施し、事業の優位性を確保してきました。今後も當社製品の差別化に貢獻する技術的側面を考慮し、戦略的考察に基づいた知財マネジメントを進めて行きます。
新規事業創生のための研究開発テーマとして進めている、次世代大容量高速無線通信に利用されるミリ波帯通信デバイスの開発については、研究?開発部門と知財部門とが、事業の優位性を確保するための知財戦略の策定およびその進捗確認のためのコミュニケーションを行うプロセスの構築を行い、差別化技術の適時保護と事業自由度の確保を確実にする活動を進めているところです。同じく重點開発テーマとされる醫療機器用極小CMOSイメージセンサを用いた撮像モジュールの開発についても、同様の體制づくりに向けて動いています。両テーマ共に、將來の事業に向けての質の高い特許ポートフォリオの構築を進めております。
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